【ドラマ】カルテット　第３話　感想　泣きながらご飯食べた事ある人は、生きていけます

こんにちは、このりです。

カルテット第３話。

カルテット第３話。

大人になると告白はしないらしい。
じゃあ、どうやって好きな人と恋人同士になるのか？
どうやら大人の恋愛は人間を捨てる事が重要らしい。
そして猫になるか、虎になるか、雨に濡れた犬になり、誘惑するそうだ。
ペットボトル１本分の距離が、恋人への道になる。
他人事のように聞いていた僕でした。

世間の誹謗中傷とトラウマ

すずめの過去の話。
彼女は幼少期、父と一緒にメディアを騒がせていた。
それは超能力少女とうたったマジックだった。
世間はその言葉を鵜吞みにして、超能力だと信じていた。
そういう時代ってあったよね。
しかし、その超能力は超能力ではなくマジックな訳で世間は噓つきだとバッシングしたそうだ。
世間の批判によって肩身が狭い思いをして育った彼女にとって父という存在はトラウマになってしまった。
そんな父は病にむしばまれ、今現在死の瀬戸際まで来てると知る。
彼女は父が亡くなる前に面会に行くべきか悩むのである。
なんやかんやあって結局彼女は面会にはいかないのだけれど、それでいいと僕も思った。
血の繋がりは残念な事に切っても切れない、大切に扱おうが、ぞんざいに扱おうが、色濃く己自身に残ってしまうものだ。たとえ亡くなった後であろうと面影が思い出させてくれる。
親が存在していたという記録は日本のシステムの中で形で残っていたとしても、生きている人たちの記憶に残っているかと言われれば、それは親から生まれた子供ほど強い物は無いだろう。
そう考えると、生きていようが、死んでいようが、遅くはないのではないかと思うのだ。
親孝行されるべき親の元に育ち、親孝行してあげることが出来た子供に育つ。
それはもう素晴らしいの一言に尽きる。
ただ、たとえ一生相いれない親だとしても、自分が死ぬまで記憶の中に付きまとってくる訳だ。
それだけでも十分だろ？とも思えた。

ずっと、そばに居てくれるという事

物置でホコリをかぶっていたチェロ。
すずめがチェロを見つけて触っていると、白いひげのおじいさんが来て言った。
「この楽器は1700年代にベネチアで生まれたんだ。楽器は人の命より長いんだ、君よりも僕よりも年上なんだ。」そう言って、チェロの弾き方を教えてくれたそうだ。
その当時の彼女にはそのチェロが大きくて守られているような気がしたらしい。
そして、このチェロは彼女より長く生きると知った。
ずっと、ずっと一緒に居てと約束した。
彼女にとって、両親という存在は一緒に居たくても一緒に居れない存在だった。
それは彼女の望んだことではあるけれど、望んでなかったことでもあるんだと思う。
本当は、唯一無償の愛をくれる両親のような存在にそばに居てほしいかったんだと。
だからこそ、そのチェロは彼女の両親の代わりにそばに居てくれる家族なんだと思う。
寂しかっただろうし、辛かっただろう、そんな時に唯一そばに居てくれたチェロを弾かなくなることなんてできないよね。

ペットボトル一個分の距離

それは誘惑の距離。
すずめは司の寝るベッドにもぐりこみ、自分の過去を知られてもうこの別荘には戻れないと行動を起こした。
顔と顔の距離を近づけて、司の方をじっと見つめた。
しかし、彼にはそんな誘惑は伝わらない。
伝わってはいたのかもしれないけれど、気づかないフリをしたのかもしれない。
結局、誘惑は失敗に終わるのだった。
しかし、またこの別荘に戻ってくる事が出来たことで彼女には希望が生まれた。
まだこれから先の未来も作っていけると嬉しかったのだろう。
司に会うやいなや顔をぐっと近づけて、強引なキスをした。
その姿は真紀や諭高に目撃されるのだけれど、そんな事は気にもしないような勢いだった。
大人になると告白はしない。
それは本当なのかもしれない。
僕はまだおこちゃまだから自分だったらと考えるとイメージが出来ないけれど。
ただペットボトル一本分の距離が、恋が始まる距離であるかは時と場合によるのだと思う。
人間のままで強引に気持ちをぶつける様に、無邪気な子供みたいなキスだって恋は生まれるんだと信じたい。